ステップ配信は元々メルマガで利用されてきた配信方法であり、顧客教育の王道的手法として知られています。特にLINE公式アカウントのようにユーザーと直接やり取りできるプラットフォームとステップ配信は相性抜群で、使いこなせば売上をアップさせるだけではなく、セールスの自動化まで実現できるでしょう。
ただ、やり方を間違えると思ったような成果が出ず、コストと労力を消耗するだけになりかねません…。
そこで今回は、LINE公式アカウントでステップ配信するメリットや事例、ステップ配信の設定方法まで網羅的に解説していきます!
なお弊社REXLIは、これまで実店舗・オンラインビジネス・クリニックなど累計200以上のLINEアカウント構築・運用に携わってきてきました。ステップ配信によって成果をあげたアカウントの実例も交えながら詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください!
目次
LINE公式アカウントの「ステップ配信」とは?
まずステップ配信とは、あらかじめ設定しておいた内容を決められた順番や間隔で配信する方法です。
一斉送信とは違い、登録日を起点として全員に1通目から順番に配信できるのが大きな特徴。登録したタイミングに限らず、全員に同じ情報を漏れなく伝えられます。この特徴を活用してセールスや教育を行えば、集客や購買促進のほか、配信内容次第でブロック率を低下させる効果などが期待できるでしょう。
また、1つの商品の魅力をじっくり時間をかけて説明することで顧客の興味関心を最大限に高めてから販売に持ち込むステップ配信を一度作り込んでおけば、営業の自動化も叶います。
特に数万円〜数十万円するような高額な商品を取り扱う場合は、ステップ配信が強い味方になってくれるでしょう。
LINE公式アカウントでステップ配信をする4つのメリット
次に、LINE公式アカウントでステップ配信をするメリットを4つ紹介していきます!
- 顧客教育を自動化できる
- 顧客が登録したタイミングに合わせて配信できる
- 読者の属性に合わせたメッセ―ジの配信が可能
- リマインドまでスケジュール可能
1.顧客教育を自動化できる
1つ目のメリットは、顧客教育を自動化できること。
教育はある程度の時間をかけつつじっくり進めていく必要がありますが、手動でやろうとしたら「メッセージを書く→配信する」といった作業を繰り返し行わなくてはいけません。
一方ステップ配信なら、事前に決めた送信回数分のメッセージの作成と配信設定をしておくだけ。するとLINEが自動的にメッセージを送ってくれます。
5日間連続でメッセージを送る場合のイメージ▼
ステップ配信を使えば手動操作にかかる手間や時間を節約できるうえ、送信先間違いなどの人的ミスも防げるでしょう。
2.新規ユーザーにも順番通りにメッセージを配信できる
2つ目のメリットは、新たに友だち登録してくれたユーザーに対しても順番通りにメッセージを配信できること。
例えば「友だち登録の翌日からステップ配信を始める」といった設定をしておけば、新しく入ってきたユーザーにも自動的に配信が行われます。
ステップ配信の仕組み▼
画像参考:Lステップマニュアル
これが一斉送信の場合、ユーザーの登録日に限らず同じメッセージが届いてしまうので、内容によっては理解できない人がいたり、興味のないものが届いてブロックされたりしかねません。ですがステップ配信なら、いつ登録してくれたユーザーにも一からメッセージを自動配信できます。
1通目は友だち登録のお礼メッセージと自己紹介、2通目は商品やサービスを説明するメッセージを送るといったように順序立てて話を進めることで、顧客からの信頼もアップするでしょう。
3.配信内容を読者に合わせて分岐できる
3つ目のメリットは、配信内容を読者に合わせて分岐できること。
ステップ配信では顧客の属性に合わせて配信内容を分岐できるので、顧客のニーズに合わせた情報を提供できます。
LINE公式アカウントのステップ配信における分岐条件と分岐回数はこちら。
分岐条件 | ・みなし属性
【性別・年代・居住地(都道府県まで)・利用しているOS(iOS、Androidなど)】 ・オーディエンス |
---|---|
条件分岐回数 | 1回(友だち登録時のみ) |
LINE公式アカウントでは、あらかじめ設定された5つのみなし属性と、配信先を絞り込むオーディエンスを用いて顧客に配信するメッセージを決定します。
ただ、条件分岐の回数は友だち登録時の1回のみ。例えば、初回の配信で性別ごとに配信を分けた場合は、以降の配信でさらに条件を絞り込むことはできません。
このようにLINE公式アカウントには配信条件の制限があるため「もっと細かな条件分岐をしたい!」と思う方は、配信条件の分岐が無制限になるLステップのシナリオ配信を使うことをおすすめします。
Lステップのシナリオ配信についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください!
4.リマインドまでスケジュール可能
4つ目のメリットは、リマインドメッセージを送れること。
ステップ配信は毎日行って顧客を少しずつ教育していくのが一般的ですが、LINE公式アカウントでは擬似的なリマインド機能も実装できます。
配信間隔を1日〜30日まで調節可能なので、最後の配信から1ヶ月後に再開すればリマインドとして十分機能するでしょう。
- 訴求メッセージを送った1週間後や1ヶ月後に再度訴求を行う
- 毎週1回に配信を絞って顧客との関係を維持する
期間を長めに取ることで長期的な関係を作りやすくなるので、何度もリピートするような商品の場合は特に有効です。
LINE公式アカウントのステップ配信で成果を出した事例
続いて、弊社が構築したLINE公式アカウントのステップ配信で成果を出した事例を3つ見ていきましょう。
- ユーザーの属性に合わせた訴求によって完全自動で年間売上2000万円を記録!
- 漫画形式のステップ配信により登録者の20%が来店!
- 新商品のプロモーションをステップ配信にすることで日商6,000万円を達成!
※記事内ではLINE拡張ツールの「Lステップ」も用いたアカウントの事例を紹介しています。
1.ユーザーの属性に合わせた訴求によって完全自動で年間売上2000万円を記録!
Shopifyの構築講座を販売している「shopdemy」のアカウントでは、配信の内容を工夫して完全自動で年間売上2000万円を記録しました!(※2021年時点)
登録直後のアンケート結果をもとにユーザーの属性を判断し、それぞれの悩みに合った配信ができるように配信内容を4種類用意しています。
- Shopifyの構築を仕事にしたい人に向けた配信
- 物販をやっていて自分の商品を持っている人に向けた配信
- 物販初心者の人に向けた配信
- 物販の中でも「転売」に取り組んでいる人に向けた配信
このように顧客の属性ごとに配信の内容を変えたことで、相手のニーズに合わせたマーケティングを実現。刺さる訴求の実現によって、売上アップにつなげました。
2.漫画形式のステップ配信により登録者の20%が来店!
「セルフ脱毛」を取り入れている脱毛サロン・SELFMADEのアカウントでは、漫画形式で読みやすいステップ配信を取り入れることで馴染みのない施術方法を分かりやすく解説し、顧客の来店を促しました。
具体的には、「脱毛は誰かにやってもらう」というイメージが強いユーザーに向け、セルフで施術する魅力を漫画形式でステップ配信しています。
加えて、脱毛に関する悩みは男女で異なることに着目し、このように配信内容を分けました。
- 女性:自己処理による見た目や肌へのダメージを伝える配信
- 男性:毛がニオイの原因につながることを配信
性別ごとに違う内容を配信することで、ユーザーそれぞれに刺さるメッセージを提供し、来店を促す仕組みを構築しています。結果、LINE登録者の20%が来店し売上アップにつながりました!※2022年時点
3.新商品のプロモーションをステップ配信にすることで日商6,000万円を達成!
キャンプ用品を販売しているFUTURE FOXのアカウントでは、新商品のプロモーションにステップ配信を取り入れ、顧客を段階的に教育することで濃いファン化を促進。その結果、新商品の発売から1時間で3,500万円を売り上げ、日商6,000万円を達成しました!
こちらのアカウントでは、興味付け→商品紹介→前日のリマインド&限定割引や個数限定告知というステップを踏み、顧客の期待をふくらませてから販売開始させる手法をとっています。
ほかにも、商品をまだ購入していない人にクーポンを送付したり、リピーターには特別企画の案内を配信したり…。新商品のリリース後もさらなる売上アップにつなげています。
なお弊社公式LINEで無料配布している「最新LINEマーケティング事例集」では、ステップ配信を活用して成果につなげた事例もたくさん紹介しています。
LINE公式アカウントのステップ配信の作り方
ここからは、LINE公式アカウントのステップ配信の作り方を解説します!
- ステップ配信の設計図を作る
- 基本情報を設定する
- 分岐条件を設定する
- 配信内容を設定する
1.ステップ配信の設計図を作る
まずは、ステップ配信の軸となる設計図を作りましょう。
ステップ配信は顧客への最初の挨拶から商品の購入まで、1本の道筋を作るコンテンツです。よって、どのようなルートをたどってゴールへ導くのかをあらかじめ決めておかなくてはなりません。
例えば学習塾の場合、以下のような流れで配信すると自然な流れでセールスを進められるでしょう。
- 自己紹介(学習塾の理念等を共有)
- 講師の紹介(実際の学習風景をイメージさせる)
- ほかの塾と比べたメリットを紹介
- 料金や授業体系の解説
- 体験入塾の訴求
このように、どのような順番で配信すれば商品を一番魅力的に見せられるのか、じっくり考えてください。
2.基本情報を設定する
次に、配信の全体像を決める基本情報を設定しましょう。
- ステップ配信のタイトル
- 有効期限
- 配信数の上限
- ステップ配信の開始条件
まずはLINE公式アカウントの管理画面にログインして、画面左のメニューバーからステップ配信を新規作成してください。
するとステップ配信の作成画面が開くので、空欄を埋めていきましょう。
注意すべきなのが「配信数の上限」の欄で、通数の上限に合わせてオーバーしないように調節する必要があります。
2023年6月1日から適用されるLINE公式アカウントのプランの内容はこちら。
プラン名 | 月額費用(税込) | 上限通数 |
---|---|---|
コミュニケーションプラン | 0円 | 200通 |
ライトプラン | 5,500円 | 5,000通 |
スタンダードプラン | 16,500円 | 30,000通
(~3円/通で追加メッセージが可能) |
プランごとに配信の上限通数が異なるため、確認しつつ設定してください。
また、ステップ配信の開始条件の設定も忘れてはいけません。
友だちの追加の経路が複数ある場合は、条件を設定して分岐を作れるので上手く活用してください。
3.分岐条件を設定する
続いて、ステップ配信の分岐条件を設定していきます。
分岐条件とは、みなし属性とオーディエンスを組み合わせて、メッセージを配信する条件を指定すること。
みなし属性は、下記の4項目から選択できます。
- 性別
- 年齢(5歳刻み)
- OS
- エリア(県単位)
オーディエンスとは、過去に配信したメッセージの開封率・クリック状況・ユーザーが自社ウェブサイトへの訪問傾向などを分岐条件に加えられる機能です。
設定可能なオーディエンスは以下の6つです。
- ユーザーIDアップロード
- クリックリターゲティング
- インプレッションリターゲティング
- チャットタグオーディエンス
- 追加経路オーディエンス
- ウェブトラフィックオーディエンス
分岐条件が決まったら、メッセージ設定の欄から「ステップを追加」をクリックし「条件分岐を追加」を選んでください。
画像のようにひし形のマークが出てくるので、クリックして条件を追加しましょう。
LINE公式アカウントでは複数の条件を合体できるので、例えばファッションアイテム通販のアカウントなら以下のような分岐を設定できます。
- 20代の女性にワンピースを紹介する(年代×性別)
- 30代の男性にスーツを紹介する(年代×性別)
- 北海道の女性に厚手のコートを紹介する(エリア×性別)
フォッションの場合はこのように分岐を作ったステップ配信を4つ作って、配信する時期を春夏秋冬で分ければ完璧でしょう。
分岐は5つまで作れるので、自分のアカウントにあった条件を設定してみてください!
4.配信内容を設定する
最後に、具体的な配信内容を設定します。
追加した条件から伸びている下向き矢印にカーソルを合わせると緑色の+ボタンが出てくるので、クリックして「メッセージを配信」を選びましょう。
※ボタンが隠れているので気をつけてください。
配信するメッセージの編集画面が開くので、3つの項目を設定してください。
- メッセージラベル
- 配信時間帯
- 配信内容
「プレビュー」をクリックすると実際の表示が確認できるので、適宜確認しながら配信内容を作成してください。
メッセージの作り方自体は、従来の配信と変わりません。
また、配信と配信の間隔(1日〜30日)も設定できるので、必要があれば細かく設定しましょう。
特別な事情がなければ、デフォルトの1日おきの配信でOKです。
魅力的なLINEのステップ配信を作るコツ
最後に、魅力的なステップ配信を作るコツを解説していきます!
- メッセージアイテムを使い分ける
- ユーザーのリアクションを分析する
- エンタメ性を取り入れユーザーを楽しませる
1.メッセージアイテムを使い分ける
1つ目のコツは、配信内容に合わせてメッセージアイテムを使い分けること。
ステップ配信は毎日コンスタントに配信できるため日を追う毎に顧客教育が進んでいきますが、テキストばかりの単調なメッセージだと顧客も飽きてくるでしょう。するとせっかく送ったメッセージを流し読みされたりブロックされたりするリスクが高まるので、顧客を飽きさせないためにも「メッセージアイテム」を有効活用してください。
メッセージアイテムは3種類あるので、状況に応じて使い分けて配信に変化を付けましょう。
- リッチメッセージ:画像をボタン化できる
- リッチビデオメッセージ:動画を配信できる
- カードタイプメッセージ:画像とテキストを合体できる
毎日テキストを読むだけだと飽きられる確率が高いので、これらのメッセージを取り入れながら、常に顧客をワクワクさせる配信を心がけてください。
2.ユーザーのリアクションを分析する
2つ目のコツは、ユーザーのリアクションを分析して顧客満足度を徐々に高めていくこと。
通常の配信であれば一度送ったらそれっきりですが、ステップ配信は登録ユーザーが増えるたびに繰り返し行えるので実運用とテスト稼働を兼ねることができます。
最初から100点満点の配信ができる人はいないので、配信しながら内容を細かく修正していきましょう。
- 配信の開封率をチェックする
- ABテストを行う
- 分岐の条件を変更する
最初は思ったような成果が出なくても、地道に改善を繰り返していけば大きな売上につながるはずです。特にステップ配信を開始してすぐの頃は、毎日でも顧客の反応をチェックして配信内容の良し悪しを見極めることが大切です。
3.エンタメ性を取り入れユーザーを楽しませる
3つ目のコツは、エンタメ性を取り入れユーザーを楽しませる工夫をすること。
一方的な配信だけだと、顧客はすぐに飽きてしまいます。読み手が楽しめる要素を積極的に織り交ぜ、思わずリアクションしたくなるような配信を心掛けましょう。
- 動画や画像を織り交ぜた配信を行う
- スタンプラリーのように徐々にコンテンツを開放していく
- クイズや診断ゲームを用意する
このように読み手を楽しませる要素を含んだ配信はユーザーのワクワク感を生み出すので、メッセージの開封率や成約率アップにつながる可能性も高いといえます!
まとめ:LINEのステップ配信を使って売上を自動化しよう!
以上、LINE公式アカウントに登録してくれたユーザーは友だち登録した直後が一番モチベーションが高いので、登録から毎日欠かさず配信できるステップ配信を活用すれば売上アップを狙えます。
ただし、配信内容の分岐条件を設定したり、顧客のニーズに合わせて配信メッセージを調整したりするには、高度なマーケティング知識やLINE構築のスキルが必要不可欠です。
もし「ステップ配信でセールスを自動化したいけど知識がない…」「成果につながるステップ配信を組むだけのリソースがない!」という方は、ぜひ弊社のLINE構築代行サービスにお任せください!